最近多いご相談を紹介しています。今回は「人材は人財」です。
宿泊ビジネスサポート課では、宿泊施設の人材育成に関する、いくつかのサポートをご用意していますが、アフターコロナによる旅行需要の高まりから、宿泊施設の稼働率が急回復したのに伴い、人材に起因する多くのご相談を頂戴しています。
例えば、
「最小限の人数で運営しているので、日々の施設運営に忙殺され、販促が疎かになっていると感じている。最小限の人数でも、効果的な販促はないのか。」
「客室清掃を外注に委託しているが、コストがかさむので、一部内製化も検討したい。できるだけ最小の人数、かつ効率の良い清掃方法に関する研修をしたい。」
「少人数で運営しているので、お客様にしっかりサービスできているか不安になっている。第三者の視点から、改善点を指摘してもらえないか。」
などです。
どの宿泊施設も、人材に関する諸問題で苦慮しています。過去には「先輩の背中を見て育てる」という時代もありましたが、現在の若手社員には通用しないのは、実体験として感じているのではないでしょうか。これは個人の価値観が多様化し、お金や仕事に対する考えが一昔前とは大きく変わったことが影響しています。つまり、「背中を見る側」の考え方の変化を「背中を見せる側」も受け止めなければならないといえるでしょう。
今の若手社員はコロナ禍での学生時代を過ごしたため、自ら相手に質問をしたり、相談する、といったコミュニケーションが苦手となり、自発的に行動するよりも相手からのアクションを待つ傾向があります。仕事においても、指示されるのを待ってから動くことが多いようです。
なぜ背中を見ても育たないのか?今の若手社員の考え方はこう変わったから…確かにそれはそうです。でも一方で「背中を見せる側」の対応も「背中を見せていれば、できるようになる」「背中を見せていれば、新入社員が育つ」ということではありません。若手社員へは「会社のため」というより、「自己成長」のために必要だと理解させれば、納得して取り組む傾向があるので、本人が能動的に取り組む仕組みを作ることも大切です。
例えば若手社員の、潜在的に持つ能力や学んできたスキルもそれぞれ違うため、何をどのくらい頑張れば「成長した」と本人も周りも感じられるかを、会社で決めたスキルマップなどを使って可視化し、各人ごとの具体的な目標設定と評価を作るのも一つの方法です。
スキルマップ項目に、例えば「お客様とすれ違う際に必ず止まり、笑顔で会釈できる→◎いつもできる〇大抵できている▽忙しい時にできていない」等の目標を設定し、それを複数人でチェックを行い、定期的にフィードバックしたり、こういう項目を特に重視していると開示すると、働いている際にスキルアップした実感を得やすくなります。
このような時期だからこそ一度立ち止まり、自社の人材育成について、見直しを検討してみませんか。
JTBグループでは「人材」を「人財」と表現しています。人は財産です。人財育成の一助となるようサポートしておりますので、お気軽にご相談ください。