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老朽化した客室改修して気付くこと

現在で3代目になる社長が経営・運営する宿泊施設。
宿泊ビジネスサポート課では、計画段階からお手伝いし、開業に向けた具体的な商品化・販促計画を実施しました。
今回の計画では、3棟あるうちの1棟、その中で2フロア全8室を介助人付のお客様も増えていることから、ユニバーサルデザインを意識しつつ、これまで企業団体や学生団体の受け入れで対応していた客室を施設内で最もグレードの高い客室単価に持っていくための改修を行いました。

今回のお仕事を通して気付いたことが大きく2つあります。
1つ目は団体客の回復です。
多くの宿泊施設が団体から個人シフトしていますが、エリア特性、時期、世の中の景気によっては、MICEをはじめとした団体を取っている施設があります。
一方でコロナ禍を生き抜くためにスタッフの人数を減らしていることから、施設によっては団体を受けたくても受けられないという施設も増えてきています。
今回お手伝いした施設はコロナ禍でも人を減らさず耐えてきたことから、今なお、団体を受けられる体制が維持できています。さらには周辺の施設が受けられない状況になったことから、エリア競合が減り、コロナ前のような活気が宿に戻ってきました。
その時代時代で、宿の体制を変えることも重要ですが、耐えることもまた一つの策であり、そのどちらの策も取れるよう基礎体力を付けておくことが大切だと思います。
こちらの施設は“人を減らさない”という強い覚悟がありました。とはいえ、経営が傾いては意味がありません。
そこで、こちらからは計画段階に3期分の決算書を見て、財務状況を分析し、認識すべき課題と改善内容について経営陣と共有しました。その当時、人件費は維持させつつも、他の経費については目標値を示して徐々にでも修正していくことを伝え、また、並行して返済計画についてもその当時取れる策をお伝えしました。その結果、少しずつ改善され、今に至っています。

2つ目は建築コストに対するプロジェクト管理の重要性です。
建築コストが高騰しつつある中で計画を進め、実際に着工する際には、見込んでいた金額以上のコストがかかり、VE・CDをしないととても施工に進める状況ではありませんでした。
施工中においても、材料・仕様が決まっていく中で、部材が足りなかったり、資材が急騰したりという場面は幾度も訪れました。
工事費だけを調達して、他にかかる約1.5〜2割の資金を落としてしまうケース、改修工事において着工してみると図面にないものが出てきたりするケースはよくある話ですが、今のコストアップの状況下においては、なんでも飲み込める状況ではなく、施主・コンサル・設計・施工が相互に意見を出し合いながら、その都度着地していったことで、無事オープンを迎えることができました。
これから職人不足や働き方改革により建築コストはさらに高騰すると言われています。
これから計画していく際の参考になれば幸いです。

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